伝えたいこと

「不登校・ひきこもり」から自己肯定感を育てる|問題の背景と対処法

不登校・ひきこもりになった息子

2歳6ヶ月の時に「広汎性発達障害」と診断され、8歳の時に「家庭環境に問題」に気がつき離婚・引っ越しをしました。

それから1年半後に強い不安症状を発症し、そのまま「不登校・ひきこもり」になってしまった息子は現在、小学5年生で10歳になりました。

不安症状は、虐待環境から安全な環境になったことで発症してしまった「複雑性PTSD」

生まれ持った「発達障害」に家庭環境の影響が絡んでしまっていて、現在子供の状態がどうなっているのかは、医師ですら今後の様子から紐解いていくしかない状態です。

しかし、優先して考えていかなければならないのが、

「崩壊してしまった自尊心・自己肯定感」の回復。

今回は、そんな「不登校・ひきこもり」になった息子の「自尊心・自己肯定感」の回復へ、私が取ってきた対応と育て方を公開します。

対応や育て方が分かりやすいように、母親としての葛藤や辛い思いは、最後へまとめることにします。

アタッチメント(愛着)の障害

「不登校・ひきこもり」になってしまった子供や「問題行動」を起こす子供の多くに、アタッチメントの形成に問題があることが多いです。発達障害の子供についても、アタッチメントの障害は多いと言われていますが、この「アタッチメントの障害」とは、どのようなものなのかを見ていきましょう。

アタッチメント(愛着)とは

アタッチメントの形成に問題があると、重大な人格形成の問題を引き起こしたりします。

赤ちゃん時代から、親や周囲の人との関係性に頼ることで、安心し落ち着くというメカニズムがつくられていきます。

→ 安心・安全の形成

この頃の対人関係における傷つき体験は、そのメカニズムに深刻な打撃を与えます。その影響をひとことで言えば、「自分がコントロールできない:自己調節の障害」ということになります。

感情が麻痺したり、ひどく高ぶったり、高低の調節がきかない。

細かいことまで鮮明で詳細に覚えていたり、大事なことをぽっかり忘れてしまうなど、記憶のコントロールができない。

良いか悪いか、白か黒かといったふうに、思考が極端に走りやすい。

落ち着かずにやたらと動き回ったり、固まって動けなくなったりと、身体の動きがコントロールできない。

・・・・こんなふうに、あちこちがギクシャクしてしまうのです。自分が自分であるというまとまり感も生まれませんし、自分が生きている世界の見え方も混沌としてしまいます。

アタッチメントについては、とても奥が深いのですが、ここでは「安心・安全の形成」の部分に留めますが、機会がありましたら是非、アタッチメントについて深く知って欲しいと思います。

息子は発達障害と診断されていたので、上記の引用を見ると、発達障害の特性に非常に似ていることを感じます。

特性として済ませてきてしまっていましたが、実際にはこの「アタッチメントの障害」があったことを理解できます。

発達障害の診断をした主治医からも「愛着の障害がある」と言われたことがありましたが、当時の私はきちんとした説明があった訳ではなかったことから「何のことやら?」と流してしまっていました。

専門の病院へ転院し現在の主治医から「発達障害には家庭環境が影響している」と言う言葉に現在は理解と納得ができますし、「子供が安心・安全を感じられるようにしていくことが重要」と言われたことへもすんなりと理解・納得ができました。

 

しかし、息子は現在10歳になっています。赤ちゃんには戻せません。

現時点から、息子の「安心・安全」の形成をしなくてはなりません。

息子が「不登校・ひきこもり」となり、強い焦りや不安症状を訴えた時点では、息子から「ここが安全なのかわからない、ママが安心できる人なのか分からない」と言いました。

母親として、非常に受け止め難い気持ちでしたが、息子の回復のために進むしかありません。

そこで、私が息子に「安全・安心」を感じられるように心がけたことは、

  • 電気の暗い感じが嫌だと言うので、生活に使うスペースは24時間電気を付けておく。寝る時だけ寝ている部屋のみ電気は消しますが、開け放してある他の部屋の電気はつけたまま。
  • 部屋の温度は365日、エアコンで快適に設定。冬は、こたつや布団に使う電気毛布なども24時間付けっ放しにしておき、子供がこたつや布団に入った時にいつでも快適であるようにしていました。人間は、不思議なもので、常に快適な温度である時に安心するものです。
  • 学年が低い内は、大好きだよ、守るよ、見方だよ、など伝えるようにしていましたが、現在は学年が上がったので言葉としては伝えることが少なくなっています。
  • お風呂の扉を閉めるのが怖いと言えば、開けっ放しにしてあげたり、そもそもお風呂に入りたくないと言えばそれでもOKに。
  • 片付けや着替え、歯磨きなどの身の回りのことさえ子供の気持ちに合わせ、子供に任せるようにしました

私がしたことは、家でのストレスフリーです。

家が安全で安心な場所になるためには、負担(ストレス)のない環境でゆっくりと落ち着ける場所になることを目指し、母親の私への安心感の獲得には何があっても見捨てない、何があっても味方であると生活の中で示していくしかありませんでした。

 

私が大きく何かをしてあげた訳でもなく、全く先の見えない生活の先で、息子はこんな風に自分のことを感じられるようになりました。

  • 自分はこんな良いことろがあるんだ
  • 自分では、ダメな人間だと思っていたけど、本当は違ったんだ
  • 我慢してきたことが、本当は我慢しなくてもいいことだったんだ
  • お友達や兄姉に対し、人ってマイナスかなって部分もあるけど、プラスの良い面もあり面白いね。
  • よく知っているお友達だから、きっとこうかな?って考えたら全く違っていたりして、人と関わることは面白いね。
  • もっと自分の気持ちが言えるようになりたい

自分がこの世界にたった一人しかいな大切な存在であり、自分はありのままで良いと思えるようになり、他人との関わりが楽しく面白い物だと思える自尊心・自己肯定感が育ってきました。

(自己肯定ができて、他者肯定ができるようになるのです)

 

安心・安全な居場所作りと並行して、私が心がけていたことは次からの章からにまとめました。

多くの子供さんに当てはまる内容だと思います。参考にご覧下さい。

 

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否定しない

息子に限らず、日本の家庭教育では「〇〇であるべき」「だから〇〇しなさい」と子供の気持ちや考えを押さえつけてしまう傾向があります。これは子供の気持ちや考えを否定してしまっています。そんな否定され続けてきた日常があると、愛情を信じられない、否定されることに過剰または麻痺しています。そして一番大きな問題は、子供の心の成長を止めてしまう・歪ませてしまうことです。

子供を否定しないことが大切です。

子供を否定しないことは、親として試される試練の課題です。

子供を自分の所有物のように扱う人もいますが、小さな子供であっても別の人間です。ですから、別の人間である子供がどう感じ、何に傷つくのかが自分とは違う、と言うところに親としては難しい課題があると思います。

否定的な言葉の一例

  • あなたはこう言うところがダメだ(決めつけ)
  • 努力が足りないのでは?(決めつけ)
  • もっと〇〇した方がいいんじゃない?(余計なお世話)
  • お母さんはこうだったのに、どうしてあなたはそうなの?(比較)
  • 人前で家の子は〇〇だから〜(決めつけ)
  • もっと〇〇しないとダメになるぞ(脅し)

隣の奥さんには言わないことを子供には平気で言ってるところに、子供を所有物として扱い否定している怖さを感じます。

 

以前、虐待があり児童相談所も介入していた家庭の中学生のお子さんが自殺してしまったニュース報道がありました。

親御さんがインタビューの中で

「暴力はありました。しかしそれは、家のルールを守らないから仕方がないことなんです。ルールを守らない子供に皆さんだったらどうするんですか?」

と、強く抗議していました。

親御さんはルールを作りたかったのでしょうが、子供さんはどうだったのでしょうか?まず、ルールを作る以前の問題で、子供さんの気持ちは尊重されていません。親が決めたから、子供は従うべきと言う考えが、子供を認めていない(否定)ことに気が付いていないのです。

日本には「この家のしきたり」と言う言葉があったように、その家の家族や子供を支配しても良いという考えが根強く残っている一例だと思いました。

 

今の時代の親も「〇〇であるべき」と育てられている人が多いのではないかと思います。それゆえに、子供を否定しないで育てることには、多少なり苦労が伴うことだと思います。

私自身は、否定を通り越して虐待環境で育ちましたから、真逆の子育てをしている中には大変なことも多かったです。

 

私が子供にしていることは、

  • 否定しない、特に人格否定にあたることは絶対にしない。
  • 褒める。すごいね、と褒めるのであれば何がすごいのか、素晴らしいね、と褒めるのであれば何が素晴らしいのか、その中身をきちんと伝えて褒める(内容の正しい評価をしてあげる)
  • 子供のネガティブな気持ちを、肯定的な見方に変えて伝える
  • 何があっても肯定してあげる
  • 学校へ行くように言わない。学校に行かなかったとしても、将来的にはこんな方法もあるなど、人生の道は一つではないことを伝える。

性格もマイナスにもプラスにも見方を変えられるの同様に、子供がネガティブな気持ちを伝えてきた時に、ポジティブな見方もできるよ、と物事はいろんな見方ができることを時々伝えました。

落ち込まない人はいません。ネガティヴな感情を持たない人はいません。それが人間で当たり前なことです。しかし、そこから早くに抜け出せることが楽な生き方だと思うのです。

ポジティブな人は落ち込まないのだと思われがちなのは、実際に落ち込んでいる姿を見ていないことと、切り替えが早さが理由なのです。

ネガティブな感情をポジティブな考えに変えるには、「自己を肯定する力」が必要です。

 

「自己肯定感」とは「開き直りの精神」です。

前向き、ポジティブ、何とかなるさ、仕方ないこうしよう「今日やらなきゃいけなかったのに出来なかった!仕方ない明日にしよう、それでもダメなら明後日でいいや」「忘れっぽくて落ち込むが、誰だって忘れるもんだ」これらの開き直りの精神を実は「自己肯定感」と言うのです。

こう言い換えると分かりやすいですね。

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「自分が悪い病」を治していく

「子供は〇〇であるべき」と押さえつけられ育つ中には、不必要な「お前が悪いんじゃないのか?」との否定的な言動も多く、息子は「自分が悪い」「自分はダメな人間」と否定的な思考を持ってしまっていました。

子供にとって親の意見や考えは絶対的なものとして、自分に取り込んでしまいがちです。例え理不尽で間違った意見であっても、子供にすればそれが正しいと思い込んでしまうのです。

家庭環境が虐待環境に近ければ近いほど、子供にとって親(養育者)の意見は絶対的なものとして、子供が取り込んでしまいます。

子供は無力です。自分で働いて食べて行くことなど出来ません。家を出て生きていく術も手段もないのです。

だからこそ、子供は親に従わざるを得ないのです。

そんな理由から「自分が悪い病」になってしまっているので、「自分は悪くない」と思えるように、この部分でも再度、育て直しが必要です。

「自分が悪い」と思っているな、と気づいた言動から「あなたは悪くない」ことをしっかり伝えていきます。根深い病です。時間をかけ、子供のせいではない、子供は悪くないことを論理的に繰り替えし伝えることで、子供も自分は悪くない、と新しい価値観を持ってくれるようになります。

不登校にまでならなくても、自尊心の低いお子さんは「自分が悪い病」になってしまっている子供が多いです。

両親の中で、母親が「自分が悪い病」になっている方もいます。中には、「自分が悪い病」になっていることに気が付かずに精神疾患を発症してしまっている人も見かけます。

言うまでもなく、自尊心の低さは様々な問題を呼び込んでしまうので、子供の内に育ててあげたいものです。

現在の子供の様子

自分が悪い病を克服し、自尊心・自己肯定感が育ってきています。

現在は

  • 学校へ行けれるようになりたい。
  • 焦りや不安から性格を歪めることで逃げずに、自分と向き合い戦い続けてきたことは自分の自信になっている。
  • マラソンなどでは、友達に張り合うことしか考えなかったけど、張り合うことも大切だけど自分の作る小さな目標をクリアしていくことも楽しみであり、大切だと思える。
    (結果より過程が大切、自分なりが大切ということを思えるようになってきています)
  • もっと自分がぶれないようになりたい(自分を信じることの感覚が育ち、そこから更にぶれない自分を目指せるようになってきています)
  • 威張ることが強いことではない、普段はいい人でいても大切な時に強くなれる人が本当の強い人なんだと思う(自己肯定感が育ってきていることから、本来の強さの意味を掴みだしてきています)
  • 頭の作業台(ワーキングメモリー)が広くても、何もしないのはダメなパターン。作業台が狭くでも、その中で一生懸命にやることが大切だと思う(例え他人と能力面で違いがあったとしても、自分の得意なこと好きなことを精一杯やればいいのだと言う自己受容・自己肯定が育ってきています)

普段の生活の中では、冗談もうまいですし、10歳とは思えない洞察力にも驚かされますし、自己を肯定する力が育っています。

子供の心の崩壊と共に不登校・ひきこもりとなった当初は、関わる人が私だけと言う生活の中で子供の心が育つものなのか、先の見えない不安だけしかありませんでした。

しかし、子供は「ひきこもり」の中から自分の力で自尊心や自己肯定感を育てているのです。

子供の姿を通して、人が自己成長していくには、「自分を見つめ、辛い葛藤の中で自分を育てる」ことです。これが社会の中であるか、家の中であるかの違いでしかないと思えるようになりました。

しかし、「不登校・ひきこもり」などの問題が起こっている背景には、「不登校・ひきこもり」にならざるを得ない理由があったはずです。

親として、しっかりと手を貸してあげる必要はあります。

子供の心の成長・回復を邪魔しない為、子供の成長に役に立つように次の項をぜひお読み下さい。

母親の私が子供にしたこと

親として大切なのは、子供より自分の気持ちへの自己管理です。

私も普通の人間なので、思うことはたくさん出てきます。心の中では「学校へ行ったら?」とか普通に思います。「この先どうなるだろうか?」と不安にもなります。「ずっとひきこもりから抜け出れないのではないか」などと考えれば自分の人生も含めて絶望感に襲われたりもしました。

ひきこもられて、24時間一緒の生活になると今までにないストレスを感じイライラの感情も増えてきます。

学校へ行けていた時より、ストレスから子供に関わる余裕がなく、関わりが減っている状態にも陥ってしまいます。

そんな状態では、自分を責めてしまうばかりです。

しかし、子供は別の人間であると伝えてきましたが、これらの思いの全てが別の人間である私の思いなんですね。

子供に向けていい思いではありません。私が解決する課題なのです。

一番辛いのは子供です。

自分のマイナス感情は、子供に向けてしまわないように、少し物事の見方や考え方を変えることで、コントロールしていくことが大切。

辛い気持ちを溜め込んでいては、コントロールするのも大変になります。市役所の子育て課や児童相談所などを頼り、辛い気持ちを聞いてもらうことで吐き出していくことも大切なことだと思います。

そして、もう一つ大切なことは

子供の未来を信じ続けてあげること。

親として一番大切なことのように思います。

 

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