植物・自然・動物

私とバラ。愛する人たちと共に

バラ達との出会い

バラ達との出会いは、大好きだった夫からバラを譲ってもらったことが始まりでした。

バラは、愛する夫と愛する息子との大切な大切な思い出。

しかし、最近までバラと愛する人たちとの思い出は、当時の忌まわしい記憶の中にあったことで、抑圧され思い出すことができませんでした。

辛く悲しい過去を乗り越えた今は、辛いこともあったけど、幸せで楽しいこともあった、と過去を振り返ることができるようになりました。

 

大好きだった夫は、私と別れた後に私が去った家でバラを育て始めました。

数年が経ち、夫から「バラを育ててみないか?」とバラを譲ってもらったことが始まりで、その後には「自分はもうバラを育てることを辞めるから」とたくさんのバラを譲ってもらうことになったのです。

夫は10年間、バラを育て、庭をバラでいっぱいにしていました。その数は、数百種。

そして夫は「バラが教えてくれたのは健康だった」と言っていました。

私は、私と別れた夫が、何を感じ、何を思い、バラを育てていたのか感じてみたかった。

夫が言う「バラが教えてくれた健康」とは何だったのだろうか、それを知りたかった。

夫が愛したバラ達を枯らすわけにはいかないと、丈夫に育てることにしたのには、こんな経緯があったのです。

 

それから、バラを中心とした庭造りが始まったのです。

この庭にも、深い想いがあるんですね。当時、忌まわしい記憶にぴったりのような汚い敷地が広がっていました。

私は、息子の為に業者へ委託し更地にし、息子の為の庭を作ろうと考えていました。

私の心の中だけで、息子の名前を付け「〇〇の庭」と呼んでいました。

そんな「〇〇の庭」は、私の息子と大好きな夫への愛情から作られていきました。

当時の写真は残っていませんが、私の記憶の中では色あせることのない楽しく幸せな思い出として残っています。

 

バラを育て始めてから、夫はこんなことを言いました。

「これからの人生は、お世話になった人たちへ恩を返していきたい」と。

それを聞いた私は、冗談っぽく「私には恩返しはないの?」と聞いてみると

「バラをあげたじゃん」と冗談っぽく返ってきました。

それから、バラに水をあげる度に「夫はどうしてそう答えたのかをずっと考え続けなればならないじゃないか」と思う気持ちの中で、理由があったのではないかと思う反面、何の理由もなかったのかもしれないと、見えない夫の心をずっと追うことになるだろうと思っていたことを思い出します。

その2年後、夫は亡くなりました。

どんな想いでバラを譲ってくれたのか、その答えは、夫が亡くなってしまったことで永遠に聞けなくなってしまいました。

 

最近、亡き夫の家に立ち寄りました。

夫が処分したはずのバラが生き残っていました。

夕暮れ時に見たせいでしょうか、何故か寂しそうに咲いていました。

そして、20年前に私が、フェンスと建物との間が30センチしかない場所に植え、育たないことから植え直してあげないと、と思いながら植え直すことなく置き去りにしたバラが、同じ場所でひっそりと咲いていました。

私が家を去る時、3本のつるバラを残していきました。

置き去りにした私のバラ、そしてその後に夫が管理してくれたバラ。

とても切なく、胸が詰まります。

もしかして、バラの始まりは私からなのでしょうか・・・

 

息子と私とバラと。

「〇〇の庭」と名付けた庭は、夜の散歩ができる庭を考えて造っていました。

廃材をもらってきて、敷き詰めながら小道風に歩く場所を作り、その小道を中心に鉢植え・地植えのバラ、数多くのハーブ、季節の花や植物でいっぱいの庭になっていました。

そこへ、ソーラーライトなどで、素敵な感じにライトアップしたり、ランタン風のソーラーライトをアーチに吊るしたり、つるバラを這わしたガーデンチェアーに置いたりとなかなか素敵な仕上がりになっていましたよ。

廃材で小道を作ったのは、いつか私が庭作りに飽きて荒れ果てた庭になった時、木材はボロボロになり土に埋もれ草が覆ってくるでしょう。いつの日かそこに小道があったのだろうか、と誰かに思ってもらえることを想像して作っていました。

今思うと、まるで今に繋がる予言のような行動ですね。

 

そんな素敵になった庭を夜に息子と歩きました。

ランタン風のソーラーライトを持ちながら。。。

時には手をつなぎながら。。。

白系のバラは、夜の庭では幻想的に浮かび上って見え、ほのかにライトアップされたバラや植物が小道を誘導してくれていました。

息子と散歩する時間が一番、素敵な思い出。

可愛い王子様は、王女様を守るかのように手を引いてくれました。

ある夜、バラを一本切って欲しいと言うので、切って渡してあげると、恥ずかしそうにしながら跪いて王女様にバラを捧げるシーンのように私にバラを渡してくれたのは、生涯の中で2度とないであろう素敵な思い出となっています。

 

これは、当時の画像がないので貴重になってしまった1枚です。

バラの終わりの時期だったので、庭のお花と合わせて飾ったものです。

百均のガラスの器に、息子が使わなくなったビー玉を入れてあります。

 

そして今、バラとの思い出を

私のバラへの想いは、大好きだった夫と、愛する息子への愛情から生まれているんですね。

辛い過去を乗り越えた今、

私は、息子との新しい思い出としてもう一度、バラが見たい。

たった一輪でもいい。

息子と歩いてきた幸せな時間に新しい思い出を重ねたいのです。

そして亡き夫との思い出の時間の先にも新しい思い出を重ね、これからを生きていきたいのです。

 

今、ベランダで2種類のバラを育てています。

パシュミナ

もう一種類は レディ・エマ・ハミルトン

 

ベランダが東向きで半日程度しか陽が当たらないことから、バラを育てることを諦めていましたが、どうしても見たくてチャレンジしました。

どうか、息子と二人で美しく花開いた姿を見られますように。

開花まで、もうすぐです。

 

 

 

 

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